臭い・虫食い

ヒラタキクイムシ虫害マニュアル

1.ヒラタキクイムシによる虫害の特長

春から夏にかけてフローリング表面に木材の粉が現れます。粉の中心部には1~2mm程の穴が開いています。これは木材の中で蛹から成虫になったヒラタキクイムシが外に脱出するための穴で、その穴あけや、幼虫が木材を食べた穴にためていた食べかすを同時に排出するためにフローリング表面には粉が吹き出します。ヒラタキクイムシの成虫は体長3~7mmの赤褐色または黒褐色の甲虫です。

2.ヒラタキクイムシの生態について

(1)ヒラタキクイムシの一生

産卵: 成虫は4月から10月頃に、夜間、幼虫のエサになる木材の露出部に産卵管を差込み、深さ4~6mmの導管部分に産卵します。(導管というのは樹木が生長している時、水を通している細胞です。) 一匹の成虫が産む卵の数は1回に1~4個づつ、全部で50個位、卵の大きさは直径0.2mm長さ1mm位です。
ふ化~幼虫: 卵は10日から20日で幼虫になり、この幼虫が約10ヶ月間にわたって木材の内部を食い荒らします。
蛹: 翌年2月から8月頃に蛹になります。
成虫: 蛹は8日から20日間で成虫となり、穴をあけて外に飛び出し産卵します。また、木材から脱出した成虫はふたたび木材を穿孔して侵入することはできません。

(2) 生存条件について

  1. 木材中の水分が約7~30%の範囲程度でないと生存できません。
  2. 卵や幼虫は50℃30分より高温または長時間加熱すると死滅します。(一般的にフローリングは、その製造工程で高温高圧処理されるため卵や幼虫は死滅します。一般にフローリングから発生するヒラタキクイムシは、周りの材料から発生したり、施工後に卵を産みつけられ翌年成虫が発生するといったケースが多く見られます。)

(3) ヒラタキクイムシの好む木材とは

ヒラタキクイムシはどんな木材でも食べる訳ではなく、基本的に幼虫の工サになるデンプン質があり、成虫が産卵するに適した導管のある木材を好みます。
デンプン質は辺材(樹木の樹皮に近い部分)にあり心材にはないため、心材部分の食害はありません。木造住宅の柱や梁に使用されるスギ・ヒノキなどの針葉樹は、卵を産みつける導管がないため食害されません。従ってラワンなどの南方産広葉樹材、国産のナラ・ケヤキ・タモなどの辺材が食害を受けます。またデンブン質は時間とともに変質するため古い木材は食害されにくくなります。新築して2年までの被害発生が全体の80~85%という報告もあります。

3.ヒラタキクイムシの被害にあわれたら

(1)処置方法一彼害の範囲が小さい場合

  1. ヒラタキクイムシの被害(フローリング表面に小さな穴が聞いたり、木紛が一箇所にまとまって出たりした場合)が発生したら、被害が拡大しない様に早期の駆除を行なうことが重要です。
  2. 応急処置としては虫穴に殺虫剤を専用ノズルで注入する方式が一般的です。すべての虫穴について充分に殺虫剤の注入を行ってください。また周辺の隙間部(幅木の下側、部材の接合部、非塗装部)にも殺虫剤を噴霧してください。同様の処置を時聞を置いて複数回行なうと効果的です。
  3. 殺虫剤はホームセンター・薬局等で販売されています。使い勝手の面から工アソール式のもの、水性塗布式のものをお勧めします。
  4. 殺虫剤噴霧時は、部屋の窓等を開放して換気に心がけてください。噴霧後もしばらく換気を行ってください。またご使用前には必す製品に記載されている取扱い説明書をよく読んで使用してください。
  5. 殺虫剤注入後の虫穴は爪楊枝等の木片にて塞いてください。また塞いだ部分が目立つようであれば専用のクレヨン等(床材メー力ーにお問い合わせください)にて色補修を行ってください。

(2) 処置方法ー被害が広範囲の場合は

被害が大きい時やヒラタキクイムシ以外の虫害は専門処理業者にご相談することをお勧めします。
お近くの業者がわからない場合は次の法人にお問い合わせの上、業者を紹介頂いてください。

公益社団法人 日本ペストコントロール協会(略称JPCA)
本部:東京都千代田区神田鍛治町3丁目3番4号
TEL 03-5207-6321
支部:各都道府県にも相談所があります。

(3) 処置効果の確認

  1. 薬剤処置の後、1年程度機子を見てください。
  2. ヒラタキクイムシの生態は先に述べたように「卵→幼虫→蛹→成虫」の一世代一年です。よって、卵や幼虫を含めた駆除の確認には一年程度の期間が必要となります。
  3. 1年間の観察期間中に新たに虫穴や木粉の発生、または成虫の飛び出しが無いことを確認してください。発生がない場合も食害に遭い易い材料ですので、その後の定期的なチェックをお勧めします。
  4. 新たに虫穴や木粉の発生、または成虫の飛び出しが認められた場合は、同様の処置を繰り返すか専門業者による本格的処置を行ってください。
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