床衝撃音低減性能の表示方法変更

ΔL等級の表示体系

ΔL等級では、床材を2つのカテゴリー(分類)に分け、試験方法や等級表示範囲も違ってきます。

床材の床衝撃音低減性能は、その製品構造や施工方法により、躯体条件への依存度が異なるため、カテゴリー分けされることになります。また、当工業会の対象とする「防音直張りフローリング」の場合、重量床衝撃音については表示しなくてもよいことになります。

イメージ図

防音直張りフローリングの場合、ΔL等級から推定L等級へ換算(読み替え)が可能です。

従来の推定性能の考え方は、実験室の特定条件の下で試験を行い、床材単体の床衝撃音低減性能を分離して、他の躯体条件の元でも同じ性能が発揮できることを前提としています。防音直張りフローリングの場合には、従来どおり推定方法が成立すると考えられますので、ΔL等級から推定L等級への換算は可能です。

イメージ図

ご参考:現在の等級表示と新しい等級表示の相違点

現:推定L等級 新:ΔL等級
表示形態 空間性能に結び付けた方法 部材単体性能を表わす方法
表示する等級 推定L等級
(例:LL45、LH50)
ΔLL等級、ΔLH等級
(例:ΔLL(Ⅰ)-2、ΔLH(Ⅰ)-2)
使用する試験室 主に残響室 壁式構造実験室
(ただし、防音直張りフローリングは残響室でも可能)
試験機関の相違点 推定方法に差があった 統一した評価方法を採用
試験体の仕様 試験体の施工条件が様々
→相互比較が難しい
一定水準で施工条件を標準化
→相互比較が容易
(条件外の結果はSを付す)
床の評価対象部位 室中央部の一般断面部のみ 一般壁際納まりまで再現施工

(一財)日本建築総合試験所 説明会資料(2008年5月)より転載(許諾済)

床衝撃音低減性能の表示に関するQ&A

表示切り替えはいつからするのですか?
試験機関においてはすでに運用が開始されており、各メーカーにおいてもカタログ等で現行表示との併記を進めています。
工業会としても新しい表示方法の普及を推進しています。
推定L等級からΔL等級への読み替えはするのか、どのように表現していくのですか?
防音直張りフローリングに関しては、基本的な試験条件を満たしていれば読み替え可能です。
具体的には従来LL-45の製品の多くはΔLL(Ⅰ)-4等級に相当します。
(詳細は各メーカーにお問い合わせください。)
カテゴリーⅠ・Ⅱとは何ですか?
床仕上げ材の構造によって床衝撃音低減性能の評価方法が異なります。このため、床仕上げ材をカテゴリーⅠ(防音直張りフローリングなど薄くて柔らかい床材)カテゴリーⅡ(乾式二重床や発泡プラスチック床など衝撃時の変形が平面的に広がる床材)に大きく分類しています。
実験室での測定ではRC製以外の試験床版は使われないのですか?
今回のΔL等級に関わる実験室での測定は、製品性能を標準的に評価することを目的としています。
このため、測定方法はRC製の試験床版を使用するJIS A 1440の方法に限定されています。
試験床版(スラブ)の厚みについては、実際にメーカーが表記する時はどの厚みでの表示になるのですか?
試験データとしては実際に試験をおこなった設備(150mmもしくは200mm)を表示します。
カテゴリーⅠの床仕上げ材は、LHについて表示しなくても良いのはなぜですか?
一般的に防音直張りフローリングなどカテゴリーⅠの床仕上げ材の多くは、躯体の重量床衝撃音にほとんど影響を与えないためです。
品確法性能表示(特認)との関係はありますか?
関係はありません。今回の表示はメーカーの自主表示であり、品確法の性能表示制度は大臣認定が必要です。
(詳細は各メーカーにお問い合わせください。)
今までの表示(推定L等級)と、ΔL等級はどう違うのですか?必ず新しい表示をしなければならないのですか?
いままでは空間性能を表すL等級表示と混同されやすい推定L等級表示が一般的であった為、ユーザーに誤解が生じるおそれがありました。その為、床材そのものの性能を表すΔL等級への変更を推進しています。
基本的に防音直張りフローリングに関しては、試験内容の変更はなく、推定L等級からΔLL表記への読み替えも可能です。
従来商品はそのままお使いいただけます。
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